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記事No : 90
タイトル GESORTING 166 黄金週間なんて大嫌い
投稿日: 2009/04/26(Sun) 11:45:26
投稿者geso

[Sweets Imperialism]
 甘味は基本的に嫌いだが,和菓子はまだ匂いが控えめなので我慢できる.
 しかし,デパ地下や駅構内店舗の西洋菓子の甘ったるい匂いは押し付けがましく耐え難い.個人的には煙草よりこっちを禁止して欲しいくらいだが,多勢に無勢,諦めるしかないのですね...

[Trouble on My PC]
 メインで使ってるデスクトップPC(エプソンダイレクト製)のディスプレイ(Acer製)が突然映らなくなった.「No Signal」という表示.
 まずは結線の問題を疑い,ケーブル(普通の15pinオスオス)を別のと交換してみたが,直らない.
 ディスプレイ本体の問題なのか確かめるために,ミニノートPC(Asus製)に繋いでみたら,ちゃんと映る... では,PC本体の問題ということになる.何が悪いのか.グラフィックボードか?
 ケーブルを何度か刺し直したり,ディスプレイの電源をON/OFFしたり,本体を再起動したりを繰り返しているうちに,時々画像が映るようにはなった.ただし,縦縞・横縞が入り乱れたぐぢゃぐぢゃの画面で,文字も何も読み取れない.
 勘でキーボードを操作し,何とかセーフモードでの立ち上げに成功.すると画面はちゃんと映る! ということは,ドライバの問題か?
 と,ここで閃くものがあって,近所の99円ショップに走りリチウム電池(CR2032)を買って来た.で,マザーボードに嵌ってた電池を交換したところ,問題はあっさり解決.時刻を始めBIOSを再設定しなくちゃいけなかったけど.
 なーんだ,バックアップ用電池の寿命のせいだったのか... そう言えば6年近く一度も交換してなかったのだった.
 104円で解決できて良かったよかった.

[Almost 105 yen Books & Books at Libraries]
 都筑道夫『ポケミス全解説』(フリースタイル 2009.積ん読中)の売れ行きが好調――初版後1箇月で再版――なお陰で,同社から新たな評論集『読ホリデイ』が出るという.めでたいことである.
 だが何で『全解説』がそんなに――と言っても部数は未公開だが――売れたんだろう.ポケミスが欲しくても高くて買えなかった人(俺だ.)も,都筑ファンであれば当然買うだろうが,それだけじゃ再版までいくまい.
 やはり資料的価値が評価されたのだと思う.本書を読むことで「一九五〇年代の欧米ミステリの時代感覚の一端と、それを受容しようとした当時の日本のミステリ読者の時代感覚とを、私たちは知ることが出来る」(編者=小森収)のだから.つーことは,主に業界の人たちが買ったんでしょうね.

○奥泉光『神器 軍艦「橿原」殺人事件 上下巻』(新潮社 2009)
 第二次世界大戦末期,謎の使命を帯びて太平洋を航海する軽巡洋船を舞台にしたミステリ(というよりも探偵小説)というよりも戦争小説.大枠は『白鯨』で,文体の基調はまたもや漱石(漱石って耐用年数長いなぁ),ロンギヌス物質もまたもや登場する.
 ときにカフカ風にもなれば戯曲形式にもなるが,今どきこのくらいで「実験的」とは言えないし,「新しい」訳でもない.
 だが,全体のトンデモぶり――だって,高天原は実は○○○○に在ってそこを目指すって話だよ――と細部の克明なリアリティーとの落差,様々なイデオロギー――国家主義・超国家主義・神秘主義・反日主義 etc.――のぶつかり合いが,滅法面白い.巫山戯ているようで真剣,真剣なようで巫山戯ているところは,何となく婦女子には余り受けないような――少なくとも『鳥類学者のファンタジア』よりは受けないような――気がするけれど.
 様々な登場人物が様々に倒錯した思想を述べ立てている.例えば「神国日本が戦争に負ける筈がない→負けるとしたらそれは天皇が神から見捨てられたからである→何故見捨てられたかと言えば今の天皇が「偽の」天皇だからである→...」という具合に,天皇主義から不敬に転じちゃったり...

○立川談春『赤めだか』(扶桑社 2008)
 落語家としての談春は好き嫌いが分かれるタイプだと思う――俺はテレビで一度見ただけなので未だ何とも言えない――が,このエッセイ集は良い.
 家元・談志への過剰な愛情にある種の普遍性を感じさせることに成功しているのは,文章力の賜物であろう.

△戸川昌子『美しき獲物たち』(文藝春秋 1974)
 一言でいえば風俗ミステリか.妄想的な性描写に溢れているが,エロスよりもタナトスを感じさせる怪作.戸川昌子は侮れない.

○高野史緒『ムジカ・マキーナ』(ハヤカワ文庫JA 2002.初版 新潮社 1995)
 1870年代の西欧音楽と1990年代のクラブ音楽とを直結した,スティーム・パンク調音楽SF.トンデモだけど楽しめる.
 作者と佐藤亜紀が敵対関係にあるという話を聞いたけど,両者は感性的に相通じるものがあると思う――「だから」反撥し合うのかも知れないが.高野の方が俗情と結託してる感じだが,だから悪いって訳じゃない.佐藤は日本ファンタジーノベル大賞を獲れたが高野は獲れなかったという事実も影響してるのかもね.

[Movie]
○ダニー・ボイル『スラムドッグ$ミリオネア』(2008 英)
 印度のスラムで地獄のような幼年期を送った少年が,TV「クイズ・ミリオネア」で奇蹟の全問正解を成し遂げ,ギャングの情婦になっていた初恋の相手と結ばれるお話――という粗筋だけだと能天気な映画と思われそうだが,そんな甘い作品ではなかった.
 本国産映画として撮ることは(国辱的ゆえ)不可能と思われる「リアル印度」の格差社会が,ハリウッドを見限ってボリウッドと組んだダニー・ボイルの手で生々しくもスタイリッシュ(!)な映像で描かれる.テンポのいい脚本も素晴らしく,2時間の上映時間はあっという間.
 過激なヒンドゥ教徒たちの焼き討ちに遭い皆殺しにされる極貧のムスリムたち,ギャングに攫われたり買われたりして物乞いさせられる子供たち――同情を買うために目を潰される子もいる――など,残酷な描写には事欠かないが,どんな酷い目に遭っても挫けない印度人のバイタリティーや,ボリウッド映画を踏襲したハッピーエンドが救いとなり,鑑賞後の印象はむしろ爽やかである.

2009.04.26 GESO


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