すみれが揺れる丘
懐かしい歌
猫の淑女は
もう何も感覚しなくなり
枯れ葉の中で
空を見上げている
雲が風に乗り空を渡ることに
驚きと詩的の眼差しを以て対したのは
どれほど昔のことだろうか

かつて生命がそこにあったそれは
今ではそうは見えない
花束が添えられた胸には
遥かな街が燃えている
長い長い下り坂だが
途中には静かな泉さえある

猫の淑女が
緩やかに丘を墜落して行く