餃子が遊びに来たので
行きつけの居酒屋に行くことにした
何だか分からないけれども美味しいものを出す店の
何だか分からないけれども美味しい炒め物と
何だか分からないけれども美味しい煮物をつまみに
美酒をびしゅびしゅと飲み交わした
餃子は相変わらず美しくしとやかで
優雅にたばこを吸って鼻から煙を出した
これは伝説のドラゴンだ
竜を退治したのは誰ですか(知らない)
竜はどうして現れたのですか(知らない)
竜は何故退治されたのですか(知らない、知らない)
それでも竜は今宵も騎士の槍に突かれて
よんどころなく昇天したのだ
夜空にはオリオンと昴と
餃子には興味のない星座が煌めいている
泣け泣け餃子 海亀のように
時として空気は
人が泳ぐには塩辛くなりすぎるのだ
竜の涙は凝って宝石となり
人の涙はハンカチを汚して鼻水と垂れる
暴虐と反抗と小さな死と
原因と不明と食と中毒
大腸菌は巷で大暴れ
超自我は雪隠に雲隠れ
餃子よ餃子
君はまた明日も小さな仲間と整列して
小さな鍋で焼かれたまえ
真実の愛とか
究極の味なんて考えないでね
毎日毎日小さな鉄板の上で焼かれるのが嫌になったら
また遊びに来たまえ
何だか分からないけれども美味しいものを出す店の
何だか分からないけれども美味しいもので酒を飲んで
また厄介な竜を退治しよう
また厄介な竜を退治しよう