すべての楽章が終わり
あなたが灰色の小径を去ってゆくと
虚礼の床で眠っていたものたちが目を醒ます
僕を裁くものはあなたのことばではない
内語の歴史こそ僕の正義
表情を見せない夢の番人だ
いくつもの囁きが交差し
単一の行き止まりにぶつかる そうさ
「スナークはたしかにブージャムだったのだ」
余波をかき消すには余波をもってせよ
僕は典型的な哄笑を部屋に拡げる
しかし それも長くは続かない
ときどき部屋が球体に感じられるのだ
そうしむけるのはいったい何だ
ひょっとしたら あなたのことばではないのか?おお
防御の姿勢をとろうにも時すでに遅し
すべての楽章が終わり あなたの
虚像も流れ去るころ
振り返った僕の背中に
最後の意味が音をたてて燃えあがる