電気時計の硬質のフォルムは
風景の中で老朽してしまった
だから
僕たちの革命はいつまでも続いている
予告篇だけの映画に
何の価値を見出すのか と
エセ賢者が囁くときも
僕は軽く笑って済ましてしまおう
でも 本当は不安なのだ
革命の世界に安住している矛盾が
今 は真実か虚偽か
早く確かめに行ってこいよ
と 僕は友を促したが
彼の目は虚ろだった
僕は半ば諦めきって
砂鉄に占められた海岸を
よろけながら駆けて行く
内側から錆びてゆく恐怖は比類なく
死んだ方がましだ と思うのだが
ゼンマイや歯車の散らばった公園まで来て
いつものように後ろを振り返ると
ああ やはり都市は朽ちている
水ぶくれの太陽は赤錆を吐きながら
よたよたと沈んでゆき
規則的な矛盾の夜が訪れる
永遠にからまわりし続ける
嗜眠革命の夜が